テニスのサーブで肩に痛みを感じる。
今回はテニスをプレイしている人におきてしまった、
テニスのサーブでの、肩の痛みについての症例報告になります。
最近では、錦織 圭 選手 や 大阪なおみ 選手 がすごく活躍をされていてテレビなどでよく聞くスポーツになりました、また、テニスを本格的に行っている方から、趣味で楽しんでいる方を含めるとスポーツの中でも多い部類に入っているように感じます。
テニスは、コンタクトスポーツではないので、急に痛みだすことは少ないですが、肩や肘などに痛みやなんらかの障害を抱えている方はとても多いように感じます。
ラケットでボールを打つ時の衝撃は大きく、繰り返しの動作が多い為 筋肉や靭帯に問題が生じることが多くあります。
<患者の背景>
学生の時からテニスを続けています。
約二か月前から、サーブの練習を入念に行っていたら、時々肩に痛みを感じるようになっていました。痛みはその時限りなので、そのままにしておきましたが、先日の練習中に肩に激痛が走りました。それからは、サーブを打つと常に肩に痛みを感じるようになってしまいました。
(27歳 男性 会社員)
<初診時の症状・状態>
痛みは腕の付け根、肩の奥で感じる。
なにもしなければ問題はないが、今はただ腕を頭の横に上げるだけでも痛みがでてしまう。
テニス後に痛みが強く残ってしまう。数日安静にすると少し楽になるが、再びテニスをするとまた痛みがぶり返してしまう。
肩関節の可動域の確認
学生のころからスポーツを続けているだけあり、可動域は非常によい。
けれど、屈曲の動き(身体の前から腕を真っ直ぐにあげていく。)では、約140°あたりから痛みを感じ出す。
外旋の動き(腕を外の方向にねじる)でも、同様に痛みがでる。
上腕二頭筋腱炎と呼ばれる症状にかなり近いものに感じました。
※上腕二頭筋腱炎 とは?
腕にある、「力こぶ」をつくる筋肉が上腕二頭筋です。
その筋肉は肩の関節の奥の方へ入っていき、腕の動きと肩の安定性に関わっています。
この筋肉が関節の奥に入っていくというところに問題を発生させる原因が多くあります。それは、筋肉は腱となって骨に付着します。この腱が骨など周りの組織と、擦れたり、挟まれたりすることにより、傷ができてしまい、痛みを発生させます。
肩を大きく動かしながら、肘を曲げる動きや、腕を大きく振る動きをするときに起こりやすいです。
<施術の経過>
初期の症状がでてからだいぶ時間もたち、その間もメンテナンスすることなくテニスを続けていたことにより、肩の筋肉などの組織にストレスや疲労がたまり、少しずつ筋肉がダメージをためてしまってました。
痛めてしまっている筋肉も傷がかなり深く、筋肉を緩めるだけでなく、他の筋肉との連動性をあげて負担を減らしたりすることも必要になると考えました。
施術で直接肩の動きや症状に対してアプローチするのと同時に
運動後のアイシング や 安静などをしてもらいながら 約1か月半(7週間)かけて肩の状態を整えていきました。
<施術者のコメント>
肩の痛みの状態を検査した時に、肩の中で炎症が起こっているようでした。
これは、時々感じていた痛みが、肩の組織が擦れて生じた痛みだったからだと考えられます。その状態でさらにテニスを続け、負担のかかる動作を繰り返されたことで、炎症が酷くなり、常に痛みを感じるような状態になってしまったと考えられます。
カイロプラクティクだけでは炎症は抑えることはできませんので、肩関節の固まった動きをよくして、炎症の部分がなるべく刺激されないように施術を行いました。
肩甲骨と肩関節周りを重点的にほぐしていきました。サーブの練習は、シャドーで痛みが治まるまで、お休みしていただきました。
<最後に>
今回の患者さまはテニスを中断することなく、肩の痛みを改善することができました。それは、以前からテニスをつづけていたこと テニスの後にアイシングやストレッチなどをしっかりと行ってくれていたことが大きくかかわっています。
テニスに限らずスポーツは、体に大きな負担となってしまうときは多いです。身体の負担などを感じるときがあったら、スポーツを中断することや、ストレッチをしっかりと行う。医療機関や、整体院や治療院を頼ることなどの早期の対応が重要になります。